「見たいその瞬間」をAIが選んで超低遅延で届ける- 「KYOJO CUP」で次世代リアルタイム映像配信を実証~ローカル5G to Physical AIで、専用スタジオ不要の 新しい観戦体験の実現を目指す~
株式会社ノーチラス・テクノロジーズ
株式会社野村総合研究所
株式会社インターネットイニシアティブ
1FINITY株式会社
富士通株式会社
ギリア株式会社
株式会社ノーチラス・テクノロジーズ(本社:東京都港区、代表取締役 会長:神林 飛志、代表取締役 社長:中澤 杉夫、以下「ノーチラス」)と株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:柳澤 花芽、以下「NRI」)、株式会社インターネットイニシアティブ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:谷脇 康彦、以下「IIJ」)、1FINITY株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役 社長:森林 正彰、以下「1Finity」)、富士通株式会社(本店:神奈川県川崎市、代表取締役 社長:時田 隆仁、以下「富士通」)、ギリア株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役 社長:齋藤 真、以下「ギリア」)、株式会社M-TEC(無限) (本社:埼玉県朝霞市、代表取締役:橋本 朋幸、以下「M-TEC」)は、三菱電機株式会社(以下「三菱電機」)とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)主導のプロジェクト「次世代インフラにおける低遅延分散処理技術の有効性検証に関する調査」において、フォーミュラカーレース「KYOJO CUP」を舞台にした、ローカル5GおよびPhysical AIを活用した次世代リアルタイム映像配信システムの実証実験を共同で開始します。
l 本番レース環境におけるローカル5Gリアルタイム配信とPhysical AI制御
本実証では、レース中の車載カメラ・テレメトリーユニットからの4K映像とテレメトリーデータをローカル5Gによってリアルタイムに取得し、AIが適切な編集・選択・情報の付与を瞬時に行うことで、観客へ「最もエキサイティングな映像」をリアルタイム配信するシステム(以下、当システム)の検証を行います。
当システムでは、富士スピードウェイの実測データに基づく詳細な物理3Dモデルを活用し、車載映像とテレメトリーデータを統合処理するPhysical AIを利用します。AIが「よりエキサイティングな状況」を瞬時に判断し、サーキットで観戦している観客に対して「見たいその瞬間」を“その場”で届けるという、ライブ感あふれる全く新しいユーザー体験を提供する仕組みです。
また、すべての工程をオープン系システムとAIで処理するため、従来の場内配信に必要だった専用スタジオやシステム、専門人員が不要となります。これにより、様々なイベント会場で活用できる、安価で汎用性の高い動画配信ソリューションとしての展開を目指しています。
なお、本実証は政府が推進する「ワット・ビット構想[高吉1] 」の考え方を踏まえ、フォーミュラカーレース「KYOJO CUP」の決勝レースを舞台に、富士スピードウェイに設置したCPUサーバーと、電力会社の変電所・営業所に設置したリモートGPUサーバーを連携させることで、ローカル5Gを利用したPhysical AI制御のリアルタイム配信システムを本番運用環境にて実現するものです。
l システム構成
当システムの構成は以下のとおりです。
競技に参加する22台のフォーミュラカーに装備されたテレメトリーユニットと車載カメラから、富士スピードウェイ内に配備されたローカル5G網を利用して、テレメトリーデータと4K映像が場内のCPUサーバーに転送され、超高速データベース(RDB)である「劔"Tsurugi"」(以下、Tsurugi)に格納されます。
同時にTsurugiは、富士スピードウェイのサーキット3Dデータを保持する時空間データ基盤の「GeoCLOVER」と連携し、光ネットワークを介して接続されたリモートGPUを呼び出します。格納されたテレメトリーデータ、4K映像、および場内3Dデータから、Physical AIが「どの映像が最もエキサイティングか」を即座に判断します。
このAIの判断に基づき、Tsurugiがクライアントアプリケーションに適切な指示を出し、ユーザーに対して“最もエキサイティングな映像”がリアルタイムに提供されます。
当システムにおける各社の役割は以下になります。
・ ノーチラス:全体統括、ミドルウェア(Tsurugi)提供・システムアーキテクチャ統括
・ NRI:先端技術の産業ポテンシャル評価、社会実装に向けた戦略策定
・ IIJ:ローカル5G構築、CPU/GPU等サーバー環境提供、富士スピードウェイ内インフラ統括
・ 1Finity/富士通:APN機器、光ネットインタフェースカード(以下、光NIC)の提供・構築・技術支援
・ ギリア:AI開発・配信アプリケーション開発
・ 東京電力パワーグリッド:光N/W、WattBit連携基盤インフラ提供
・ 中部電力パワーグリッド:光N/W、WattBit連携基盤インフラ提供
・ 三菱電機:3Dモデル作成(GeoCLOVER)提供
・ M-TEC:テレメトリーユニット、車載カメラ提供
協力:KYOJO CUP事務局、富士スピードウェイ株式会社、エフサステクノロジーズ株式会社 (GPUサーバー「PRIMERGY RX2540 M8」提供)
l 各構成テクノロジーについて
・ローカル5Gについて
高速移動体の無線通信においては、基地局信号との正確な同期、基地局をまたぐ際のシームレスな切り替わり、通信帯域の安定的な確保等が要求されます。IIJグループでは早くからフォーミュラカーレースでのローカル5G検証を進めており、今回構築するデータ通信網が十分に実用に耐え、有用性が確認されるものと期待しています。
また、ローカル5G技術の応用は製造現場のOT(Operational Technology:運用技術)分野や、臨時で開設されるイベント会場での補完通信手段として需要が高まっており、通常の携帯電話網から独立したデータ通信網の構築ソリューションとして、幅広い分野での展開を視野に導入を推進していきます。
・APN(オールフォトニクスネットワーク)と光NICについて
APNは、送信から受信まで光信号のまま処理することで、大容量データを低遅延に伝送できます。本実証では、AIによるリアルタイム処理とワット・ビット構想の実現に向けて本APNを活用します。
また、1Finityが開発中であり、2026年10月に販売開始予定の光NICを導入します。光NICの活用により、従来のサーバー間通信に必要となるL2・L3スイッチやルータを介さず、100km超離れたサーバー間を光信号のまま直接接続することでさらなる低遅延化と独自の仕組みによる長距離通信時の性能劣化抑制を実現します。
・Tsurugiについて
当システムの中核には、国産の超高速RDBであるTsurugiを採用しています。なお、本システムにおけるサポートとアーキテクチャ設計はノーチラスが担当しています。
Tsurugiは、NEDOの支援により開発された国産オープンソースの次世代RDBであり、世界水準のパフォーマンスを提供しつつ、サポートから製造までを一貫して国内で行っています。MCP等へのAI対応も先駆けて行っており、リモートGPUをRDBからシームレスに利用できる仕組みをユーザー定義関数(UDF)として内包しているため、低遅延AIとの親和性が極めて高い点が特長のひとつです。
・AIについて
AIの実装・提供はギリアが担当しています。本実証で投入する超低遅延AIスコアリングは、車載テレメトリーと映像を時刻同期させ、リアルタイムにシーンの注目度を算出する点に特長があります。外部知識によるグラウンディングと映像との紐付け、観戦者の感情に響くシーンランキングを一気通貫で実行することで、認識結果を物理空間での意思決定に接続するPhysical AIとして位置づけます。今後はレースチームの戦略立案やドライバー支援など、物理世界でのアクション支援へと応用範囲を広げていきます。
・GeoCLOVERについて
GeoCLOVERは、三菱電機が開発する、現実世界をまるごと空間と時間のデータとしてバーチャル上に再現する時空間データ基盤です。本実証実験では、富士スピードウェイの3D空間データを提供します。Physical AIは本データをもとに、車載映像・テレメトリーとGPUを組み合わせてリアルタイムでレース状況を判断します。今後は、RDB Tsurugiと連携し、工場・インフラ・ビルなど幅広い領域への事業展開を目指します。
・KYOJO CUPについて
KYOJO CUPは2017年にスタートした、日本発かつ世界初の女性限定プロレースシリーズです。主に富士スピードウェイを舞台に熱戦が繰り広げられています。全員が全く同じ仕様のフォーミュラカーを使用する完全なイコールコンディションであり、純粋な運転技術とレース戦略だけで勝敗が決まります。近年は海外からの参戦もあり、日本は勿論、世界からも注目されているレースになっています。
l 本調査の位置づけについて
(NEDO AI・ロボット部 生成AIチーム長・プロジェクトマネージャー 遠藤 勇徳)
NEDOは、既存の技術の延長にない次世代の情報処理技術の創出を目指し、「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」(以下、本事業という)を2018年度から実施しています。本事業開始当時からデータセンタの消費電力増は将来的な社会課題として想定していましたが、生成AIの登場と普及で、その課題は当初想定を超えて大きなものとなっています。NEDOでは、こうした状況の解決策の一つとして、低遅延分散処理技術の開発を本事業で実施してきました。本調査の検証で活用されるRDB“Tsurugi”は、その成果の一つでもあります。
本調査では、加速するAIの普及に伴う社会課題の解決と、革新的技術の普及による日本の産業競争力の強化を目指し、次世代情報処理技術である低遅延分散処理技術の有効性検証を進めます。調整されている実地検証は業界を横断するものであり、有効性検証に留まらない、次世代の新たなサービス創出にもつながるものとして、期待しています。
また、こちらの実証実験を解説するセミナーを開催いたしますので、是非ご参加ください。
■ノーチラス主催
タイトル:次世代高速RDB 劔”Tsurugi”×映像通信 セミナー
日時:2026年8月下旬開催予定
場所:東京駅 周辺
内容:本プロジェクトに関する概要と解説
登壇者:株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 神林飛志 他(決まり次第お知らせいたします)
参加方法:劔”Tsurugi”コミュニティサイト(https://www.tsurugidb.com/)にてお知らせいたします。
■NRIによる先端技術のポテンシャル評価と社会実装戦略の推進
NRIは本実証実験において、次世代コンピューティング領域における知見を活かし、低遅延分散処理技術や「ワット・ビット構」といった先端技術の産業ポテンシャル評価と、社会実装に向けた戦略策定を担います。
具体的には、AI推論が社会基盤となる次世代の将来シナリオを構築し、本実証で得られた成果をもとに、映像分野にとどまらず、製造(スマートファクトリー)、エネルギー、医療・介護などへの有望領域における横展開シナリオを描き、その市場規模や事業性を評価します。
また、こうした戦略検討を踏まえ、社会実装を加速させるための市場対話・マーケティングを戦略的に展開します。その第一歩として、本実証実験の実証内容とも親和性の高い「Inter BEE 2026」への出展を起点に、国内外の展示会への出展や産業界との対話を主導し、先端技術の社会実装に向けたエコシステム形成を推進します。
「Inter BEE 2026」の開催概要
日程:2026年11月18日(水)~20日(金)
場所:幕張メッセ
概要:音響・映像・照明・通信のプロフェッショナルと関連ユーザーが一堂に会する国内最大のメディア総合イベント
WEB:https://www.inter-bee.com/
[本ニュースリリースについての問い合わせ先]
・株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 営業・マーケティング部 担当:野村
E-mail:contact[*]nautilus-technologies.com
※E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
URL:https://form.k3r.jp/nautilus_1003/Tsurugidb_contact
・株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 玉岡
Tel: 03-5877-7100
E-Mail: kouhou@nri.co.jp
・株式会社インターネットイニシアティブ 広報部: 太田、荒井
Tel: 03-5205-6310
E-mail:press@iij.ad.jp
URL: https://www.iij.ad.jp
・1Finity株式会社/富士通株式会社
お問い合わせフォーム:https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532
・ギリア株式会社 担当:増田
E -mail:pr@ghelia.com
URL:https://ghelia.com/contact/form/
・三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
〒661-8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
FAX:06-6497-7285
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_at.html
・株式会社M-TEC(無限) モータースポーツ事業部 桜井
E-mail:hirokazu_sakurai@mugen-power.com
・KYOJO CUP事務局 内山秀樹
E-mail:uchiyama@kyojocup.jp